2011年11月2日水曜日

医者嫌いが病院に駆け込む


(続き)

急遽、医者に診てもらうことにしたが、
翌日、私は休日出勤をしなければならない。

こんな時に仕事のことを考えている場合ではないのだが、
私は古い職人気質のエンジニア、
仕事に穴をあけることに罪悪感がある。

仕事をしてNGを食らうのも仕事師としては恥の極みだが…。

とりあえず、
会社の人間に電話で相談する。

しかし、
もともと私の部署は人手が足りていない状況で、
代わりは誰もいない。

正確には、
若手が一人いるのだが、
運悪く4連休の最中で、
どこかに出かけているかも知れない。

彼に期待をするのはやめておこう。

この状況の下では、
権限を持たない者と話をしても埒が明かない。

分かってはいるが、
目の前が真っ暗になった。

やはり私が仕事に行かなければならなくなった。

結局、午前中の収録だけをすることで落ち着いたが、
正直、それが本当にできるのか、自信がない。

会社への行き来はカミサンのクルマに頼るとして、
1時間モノのドキュメンタリー番組の収録に耐えられるか。

私たちの仕事には極度の集中力が求められる。

答えは明らかだった。

プロとして
最低な判断をしなければならないことに地団駄を踏む。

暫くして、
トイレに行こうとして
ベッドから立ち上がったところ、
普通の歩行すら困難な体調になっていた。

これは間違いなくアウトだ!

早速、
4連休中の同僚に電話し、交代してもらうことにした。

私は、
他人のプライベートに迷惑をかけるようなことが大嫌いなので、
極めて不本意である。

それでも
この時の私には医師の助けが確実に必要だった。

ドタバタしたが、休めることになった。

(続く)


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