2011年2月11日金曜日

小沢、ネットメディア頼み

[読売新聞]

政治資金規正法違反で強制起訴された
民主党の小沢一郎元代表は10日の菅首相との会談後、
国会近くの憲政記念館で、
インターネット番組で中継された
フリージャーナリストらが主催する「記者会見」に臨んだ。
以前から予定が入っていたという。
元代表は最近、
インターネットメディアへの出演を繰り返している。
10日の首相との会談後は、
新聞やテレビの記者からの
「どういう内容だったのか」との問いかけには答えず、
無言で首相官邸を出た後、ネット番組に出演した。
小沢元代表は、
「政治とカネ」問題で追及を続ける新聞、
テレビに不信感を募らせているとされる。
実際、
「いくら言っても、いくら説明しても、
全くわかってくれないし、報道してくれない。
あまり記者会見する意味がない」と不満を漏らしている。
これに対し、
ネットメディアは元代表に好意的な質問が多いことなどが
元代表がネットを好む理由のようだ。

この数ヶ月、
いわゆる「大手マスコミ」の崩壊が始まり、
メディアの世界が実に興味深い状態になっている。

明らかに劣勢な旧い存在が、
これまで黙殺していただけの新しい存在を攻撃する。

ちなみに、
今回の記者会会見は、
記者クラブが行うような閉鎖的なものではなく、
大手マスコミの記者でも参加できたし、
質問も可能だったと思う。

それでも
彼らは報道する側の立場の者として
今、何をすれば良いのか。

それすら理解できていないのである。

私としては、極めて愉快な事態だ。

小沢氏に限らず、
自分の意見を正しく伝えたい人は、
従来型の「大手マスコミ」を嫌う傾向が強い。

何を言っても面白おかしく編集されて、
自分の意見が捩じ曲げられてしまう。

それなら、
インターネットを利用したほうが効率が良い。

あえてフリーのジャーナリストを介さなくても
伝えたいことを録画・録音し、
サイトから閲覧できる状況を整えれば、
最初から最後まで聞いてもらえる。

そうしたことが可能な時代になっているのだ。

また、
同時に情報の受け手も大きく二つに分けられつつある。

新聞やテレビから与えられるニュースを
すべて真に受け、
自分の頭では何も考えずに鵜呑みにしてしまうタイプと、
起きている現象について、
自ら情報を集めて、
自分なりの考えをまとめていくタイプ。

この二極化と、
そのバランスの行方については興味深いものがある。

昨日の記者会見で、
小沢氏は
自分自身に関わる報道の中で頻繁に使われる
「政治とカネ」という言葉について、
「意味が分からない」と発言した。
どこが問題で、何について疑問なのかが不明だと言う。

この発言について、
大手マスコミは説明責任を果たせるのだろうか?

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