親切な人

土曜日、

父・センタローが「お世話になった人」に会いたいというので、

山梨に行ってきた。

センタローが高校を中退した後、

しばらく働かせていただいた工場の経営者で、

もともと父の実家の近くに住んでいたことから

血の繋がりはないが、

父は「小父さん」と慕っている。

脳梗塞を患い、

気が弱くなってしまったのか

なぜか唐突に会いたくなったらしい。

住所だけを頼りに

カーナピ任せに車を走らせた末に辿り着いた家は

なんと留守だった。

実をいうと

父が記録していた電話番号が

現在は使われていない状態になっていたため、

事前に訪問することを先方に伝えることができなかった。

困り果てていると、

たまたま隣の家の人が外に出てきたので、

父が事情を説明すると

その人は「お世話になった人」と懇意にしているらしく、

直接、携帯電話で連絡を取ってくれた。

結局、

当の「お世話になった人」は、

数年前から息子の家に住んでいるらしい。

隣の方の親切により、

我々は

現在の住まいを訪問することができた。

父も「お世話になった人」も

再会をとても喜んでいた。

良かったと思う。

余談になるが、

親切にしてくれた隣の人は

父が埼玉の蕨市から来たことを伝えると、

「私は浦和からこちらに引っ越してきました」と言った。

WE ARE REDS !

私は勝手に満足感に浸っていた。

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